ようこそ ゲスト様

ワイン・ワインセットの通販、販売なら成城石井で!

 
【第3回】生産者にワインの魅力を聞きました
〜シャトー テューレイ〜<後編>



栽培学教授としても有名なボルドーきっての名手、
フランソワ・クルーテル氏が創設した『シャトー テューレイ』。
その2代目であり、愛娘のシルヴィ氏が
『シャトー テューレイ』の魅力を語ります。



[ 後編 ]

silvy(シルヴィ):フランソワ・クルーテル氏が創設したシャトー・テューレイの2代目であり、フランソワ・クルーテル氏の愛娘。

寺口(てらぐち):日本において取得者が極めて少ない『エノログ(ワイン醸造技術管理士)』の資格を持つ。東京ヨーロッパ貿易代表取締役。


乾(いぬい):成城石井ヴィラージュ店<酒販担当>

 

乾(I)
今日はCH テューレイのシルヴィー・クーセルさんをお迎えして、 色々とお話を聞いていきたいと思います。

通訳は成城石井・貿易部部長で、エノログの寺口です。

昨年も来日され、今回と同じ時期にセミナーを開きましたが、今回はまた違った切り口でのお話を聞くことが出来ればと思います。

Silvy(シルヴィ:S)
CHテューレイは私と私の家族で運営している小さな家族経営のシャトーです。現在は私と妹の二人でワイン造りと経営をしています。

1940年代に私のお爺さんが今の土地を購入し、シャトーの歴史は始まりました。

その後、父がワイン造りを大きくし、2005年から私と妹の二人で運営をしています。

私たちは大学でワイン醸造を専攻しましたので、現在はワインのエンジニアでもあり、フランスの国家資格「エノログ」の資格も取得しました。

妹がワイン造りを主に行い、私がセールスを主に担当しています。

私たちはシャトーで生まれ育ちましたので、ワインを造ること、ワインのお話をする事など、ワインにまつわる全ての事が大好きです。

まずは、私たちのシャトーの場所をご紹介します。
フランスのボルドー市の東25kmにあり、そして、サンテミリオンから北に20km、ソーテルヌーの南30kmに位置しています。

ボルドーAOCでは昔から白ワインを沢山造っていました。
ただ、現在では赤ワインが主流になりましたので、私たちも赤ワインを造っていますが、私たちの父が、白ワインには非常に高いポテンシャルがあると言う事を信じていて、今でもCHテューレイでは白ワインを他のシャトーに比べて沢山造っています。

私達のシャトーでは85ヘクタールの畑を所有しています。
その畑で育てている葡萄の約半分が白ワイン用の葡萄を育てています。

一般的に、ボルドーワインと聞くと赤ワインを想像されますが、実は、白ワインも沢山のシャトーが造っています。

CHテューレイでは、年間55万本のワインを生産していて、その内の65%を海外へ輸出しています。

では、お話をしながら私達のワインをテイスティングしてみてください。
まずはCHテューレイ・クラッシック2008年から。
(参加者が試飲を始める)




寺口(T)
このワインに使われている葡萄品種と割合は?


(S)
セミヨン50%、ソーヴィニヨン・ブラン35%、ソーヴィニヨン・グリ15%を使用しています。

ソーヴィニヨン・ブランとグリの違いですが、 グリは栽培が少し難しいです。病気になりやすい品種なんですが、ブランに比べると、より華やかな味わいがあります。

ブランはフルーティーな果実用な香りと味わいが感じられます。

ソーヴィニヨンは香りと、新鮮さを醸し出しています。
セミヨンからはワインの円み、熟成からのしっかりとした味わいを表現しています。

この二つの品種をブレンドする事によって、ワインが複雑で、それぞれの良い所を補いながら味わいを表現しています。

(T)
ワインの発酵段階の管理はどのように?


(S)
ワインの発酵の工程では、ステンレスタンクで行っています。

温度管理を厳しく管理し、発酵の温度を16〜18度と言う比較的低めの温度で行っています。

16〜18度と言うのがとても重要な温度帯で、これ以上温度が上がってしまうと全く違う味わいのワインに仕上がってしまいます。

香りを最大限に引き出すという意味で、この温度管理、16〜18度と言う事が一番重要な要素となります。

味わいには、ミネラルの鉱物質のようなニュアンスが感じられます。
(T)
どんな食事に合わせるといいのでしょう?


(S)
私たちはこのワインを飲む時は、アペリティフとして飲んだり、普段の食事の時に飲んだりしています。

凝った料理ではなく、シンプルな料理に合わせて、気軽に食事と一緒に楽しむのが良いと思います。

このスタイルのワインですと、今後2〜3年で消費するのが良いと思っています。

ワインの香りの特徴を知るには、グラスを回さずにファーストアロマを楽しみ、その後にグラスを回した時に出てくる、また違った香りを楽しむと、そのワインが持っている全ての香りを楽しむ事が出来ます。

では、次のワインの香りを見てみてください。
(参加者が別のワインの試飲を始める)


(S)
2004年キュベ・フランシス・クーセルです。
こちらは新樽の中で発酵を行い、その後に9ヶ月間、樽の中で熟成を行っています。

ワインを醸造している時は、葡萄果汁の中に酵母が生きている状態です。
発酵が終った後に熟成用の樽に移した後でも、ワインの中に酵母が残っていますので、9ヶ月間の熟成期間中は櫂の様な物で樽の中のワインを攪拌する事によって、酵母の味わいがワインの中に溶け込み、このようなリッチな味わいに仕上げます。

この工程をバトナージュと言います。
味わいは濃縮感があり、力強い味わいになります。

香りの中にオークの香りと呼ばれる、焼いたパンのトーストのようなニュアンスが感じられると思います。

もう一つは、ドライフルーツのようなニュアンスや、花のようなフルーティーな香りもあり、最初に飲んだワインに比べると複雑な香りが楽しめると思います。

味わいも最初のワインと比べるとボリュームがあり、とてもしっかりとしていて、余韻も長くなっています。
私としてはペサックレオニャンのワインスタイルに似ていると思っています。
(※ペサックレオニャンで有名なワインはCHオーブリオン)
(S)
どうでしょう、最初と今のワインとの違いは分かって頂けましたでしょうか。

こちらのワインは食事と一緒にお楽しみ頂きたいと思っています。
お魚だとか、チーズ(コンテ)、白いお肉(鶏肉)などと一緒にお楽しみください。
料理をした帆立貝、貝柱のお料理とも良く合います。

このワインは2004年産ですので、もう8年も経っていますが、素晴らしい味わいに感じられます。
なぜかと言うと、2004年の製造がしっかりと行われた証拠だと思います。

このワインは樽を使って醸造し、樽を使って熟成しているという事が、ワインを長期間に渡って熟成出来るワインに仕上げている要因です。

その理由としては、この製法のワインには、タンニンが豊富に含まれていますので、長期熟成に適したワインに仕上がっています。


(S)
2004年、2008年と言うのがボルドーの白ワインにとって良い年です。
それは、葡萄の生育の間がそれ程暑い夏ではなかったという事、葡萄が過熟せずに収穫できたからです。

白ワインを造るときは酸味がとても重要な要素となります。
この酸味がないと、重いワインになったり、しまりのないワインになってしまう事があります。

2004、2008年の2年間は酸味が多い葡萄が収穫でき、このようなしっかりとした良いワインを造る事が出来ました。

このワインはセミヨン50%、ソーヴィニヨン・ブラン50%を使用しています。葡萄の木も25年以上育った葡萄の木から収穫しています。

十分に生育した木から収穫していますので、収穫量も限られた量しか取る事ができませんでしたので、このような凝縮した味わいとなっています。

(T)
当たり年と呼ばれる年は、赤ワインと白ワインは同じですか?


(S)
白と赤の葡萄の当たり年は違います。
良い赤ワインを造るには、しっかりとした陽の光、太陽が必要なんですが、どちらかと言うと、白ワイン用の葡萄を造るには、それ程沢山の量が必要ないと思っています。
 
私たちは白を50%、赤を50%と他のシャトーより白ワインを造る比率が高く、白は当たり年が多くあるので、喜ぶ事が多いですよ。
(S)
それでは赤ワインのクラシック2009年

2009年は赤ワインにとっては良い年でした。メルロー70%、カベルネ・ソーヴィニヨン30%です。

発酵はステンレスタンクで行い、マロラクティック発酵と呼ばれる第2次発酵を樽の中で約12ヶ月間、熟成を行います。

私にとって、このワインはまだ若いように感じています。
既に濃縮された香りが感じられ、果実やスパイスの香りが複雑に感じられますが、今現在では胡椒のようなスパイスの香りが強く感じられます。

このワインに特筆すべき点は、 香りをかいだ時点ではまだ若いニュアンスがありますが、口に含んだ時のタンニンの味わいが柔らか味を感じるという点です。

その理由としては、このワインの味わいのリッチな部分がタンニンの渋みよりも勝っているという点です。

2009年の特徴と言うのが良く現れていて、葡萄の種から来るタンニンの渋みがとても柔らかく上手く表現されています。


(S)
これから3つの違うヴィンテージのワインをテイスティングをして頂きます。

CHテューレイ・レゼルヴ・キュベ・フランシス・クーセル(2009年、2002年、1988年の3ヴィンテージ)

このワインは、典型的なヴィンテージによる味わいの違いと言うものを感じて頂く事が出来ると思っています。
私の父はこのワインに関して、最低5年は開けてはいけないと話しています。
クラシックは翌年から8年間ほどの期間で楽しむ事が出来ます。

■2009年
使用している葡萄品種は、メルロー80%、カベルネソーヴィニヨン10%、カベルネフラン10% 小さい樽を使用して発酵しています。

その後、新樽70%と1回だけ使用した樽30%の2種類を使って熟成しています。
香りをかぐと、とても赤い果実の香りが良く出ていますので、先ほどのクラシックよりもフルーティーに感じる事ができます。

ですが、まだまだ若いワインですので、これでもまだ香りは閉じた状態で、本当の香りが表現されていません。
私はこのワインを試飲した時に高いポテンシャルを感じましたが、まだ若く、本来の香りや味わいが出ていないと思っています。

もし、このワインの本当の香りや味わいを楽しみたいと思ったら、ワインを飲む2〜3時間前に抜栓しておくか、カラフェに移して飲んだほうがより華やかな香りが出ますので、ぜひお試しください。

■2002年
2002年と言う年は、収穫の時期に良く雨が降った年でした。
それがこのワインの味わいの中にも出ていて、ワインを口の中で楽しんで、飲み込んだ後の、しばらくした瞬間に、少しだけ乾いた渋みが感じる事ができると思います。

これが、雨が降ったためにワインに出てきた影響です。
この渋みのドライな感じと言うのが、葡萄にそれ程太陽が当たらなかったと言うことの証明でもあります。

この味わいは食事をしながらだと感じられないほどの、僅かなニュアンスです。
2009年よりも複雑な香りは感じられましたでしょうか。熟成をする事によって、香りのニュアンスが開いていると思っています。
(S)
■1998年
このワインはスモーキーで、樽のトーストのニュアンスが、 香りの中に感じられ、タバコやレザー(革)の香りも感じられます。
2002年とは全く違う香りになっているという事が分かると思います。

熟成感がありながらも、張りを失っていないという部分が特徴だと思います。
改めて、この3つのワインを比べると、全く違う香りがある事に気が付くと思います。
このワインは14ヶ月間、樽で熟成し、その後ボトリングをしています。樽は全てフレンチオークの新樽を使用しています。
樽は全て内側を焼きます。その焼き具合は、いつもミディアムトーストのグレードを使用しています。

どうでしょう、この3つのリザーブの中で、どのリザーブが気に入りましたか?
今回若いと感じた2009年を、10年後にテイスティングをしたら、きっと皆さん、今以上に気に入ってくださると思います。


いかがでしたか?
シルヴィさんのワイン造りへの情熱と、

シャトーテューレイのこだわりが伝わるセミナーでした!

次回はボルドー地区『シャトーラネサン』へのインタビュー。
グリュオ・ラローズの畑の反対側に位置し、
正統な実力は格付け5級以上と言われるオー・メドックでも
傑出した存在の大人気シャトーです。


お楽しみに!